川崎医科大学附属病院卒後臨床研修プログラム2026年度版を手に取っておられる研修医の皆様、研修初年度を迎え、決意も新たにされていることと思います。医学生時代とは全く異なる世界を経験できることに、期待と緊張から武者震いされていることでしょう。
皆さんは、それぞれ明確な目標を定めていることと思います。その目標は達成するたびに、すなわち一つのゴールに到達した途端に、新たな目標として皆さんの前に現れます。常に高い目標を意識しつつ、今の新鮮な気持ちを忘れることなく研修を続けてください。そうすることで、皆さんは優れた知識と技術を身につけた「良医」へと成長していくことが出来るでしょう。
研修を通じて、感染症対策はもちろんのこと、災害やサイバーテロ攻撃などの危機管理に関しても、日頃から高いリスク感性を養うよう努めてください。また、医療安全に関する事項は、特定機能病院である当院にとって最重要項目の一つです。常に安全文化を高める意識を持ち、行動することを期待しています。
川崎医科大学附属病院は、昭和48(1973)年に開院し、第1期生からこの研修システムを導入してきました。これは、2004年に開始された全国的な初期臨床研修制度の先駆けとなっています。皆さんも医学の道を選んだ事に誇りを持ち、高い徳性を身につけながら、世のため人のために尽くすという医師としての原点を忘れず、日々研鑽を積んでください。そして、附属病院の理念である「医療は患者のためにある」という言葉を今一度胸に刻み、「すべての患者に対する深い人間愛」を持って研修に臨んでいただきたいと思います。
皆さんが実り多く、充実した研修を行えるよう、当院は全力で支援いたします。 末筆ながら、皆さんのご活躍と益々のご健勝を心よりお祈り申し上げます。
2026年4月1日 川崎医科大学附属病院 病院長 永井 敦
沿革と現状
川崎医科大学は、「全人的医療のできる人間性豊かな良医」を育成することを理念として1970年に設立された。附属病院は1973年に開院され、川崎医科大学の学生は第1期生から附属病院で実習に励み、卒後は多くが附属病院で研修を行った。これまでに4,000名を超す若き臨床医が巣立ち、全国の様々な医療現場において中核を担う存在として活躍している。
当院における卒後臨床研修は、開院当初よりプライマリ・ケアおよび救急医療を重視し、ローテート方針による幅広い臨床経験を通じた教育を行ってきた点に特徴がある。2004年に開始された新医師臨床研修制度の理念は、こうした当院のこれまでの取り組みと重なる点も多く、結果として当院の卒後教育は、制度開始以前から現在につながる方向性を有していた。
以下に、当院の初期臨床研修制度の特長を改めて示す。
(1)プライマリ・ケアおよび救急医療を重視した研修体制
全人的医療の実践に向けて、プライマリ・ケアおよび救急医療に関する基本的な考え方や対応力を身につけることは、新医師臨床研修制度において重視されている要素の一つである。